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東京高等裁判所 昭和59年(行コ)70号 判決 1985年6月25日

《住所省略》

控訴人・附帯被控訴人 地濃亥吉

右訴訟代理人弁護士 渡辺隆夫

《住所省略》

被控訴人 新潟県

右代表者知事 君健男

右訴訟代理人弁護士 伴昭彦

右指定代理人 平野栄治

<ほか四名>

《住所省略》

被控訴人・附帯控訴人 新潟県収用委員会

右代表者会長 坂井熙一

右指定代理人 藤田恒

<ほか一名>

主文

一  本件各控訴をいずれも棄却する。

二  本件附帯控訴に基づき、原判決中、被控訴人・附帯控訴人新潟県収用委員会に関する部分を取り消す。

控訴人・附帯被控訴人の被控訴人・附帯控訴人新潟県収用委員会に対する本件訴えを却下する。

三  原判決主文第一項は、当審における訴えの一部取下げにより失効した。

四  控訴人と被控訴人新潟県との間に生じた控訴費用は控訴人の負担とし、控訴人・附帯被控訴人と被控訴人・附帯控訴人新潟県収用委員会との間に生じた訴訟費用は一、二審ともすべて控訴人・附帯被控訴人の負担とする。

事実

以下においては、「控訴人・附帯被控訴人」を「控訴人」と、「被控訴人新潟県」を「被控訴人県」と、「被控訴人・附帯控訴人新潟県収用委員会」を「被控訴人収用委員会」と、「原判決添付物件目録一記載の土地」を「本件土地」と、「同目録二記載の各御堂」を「本件堂宇」と、「被控訴人収用委員会が昭和四五年一一月七日付けをもって本件土地について行った権利取得裁決」を「本件権利取得裁決」と、「本件権利取得裁決と、被控訴人収用委員会が右裁決と同時に行った本件土地の明渡裁決とを含む同日付け裁決」を「本件収用裁決」と、「控訴人が昭和四六年二月八日原審裁判所に提出した本件補償金等請求事件の訴状」を「本件訴状」と、「控訴人の被控訴人収用委員会に対する本件権利取得裁決の取消を求める訴え」を「本件取消の訴え」と、「行政事件訴訟法」を「行訴法」とそれぞれ略称する。

第一申立て

一  控訴人

1  原判決(ただし、本判決主文三のとおり失効した部分を除く。)を取り消す。

2  被控訴人収用委員会との関係において、本件権利取得裁決を取り消す。

3  被控訴人県は、控訴人に対し、

(一) 二〇万五六六一円及びこれに対する昭和四五年一二月八日から完済まで年五分の割合による金員、

(二) 昭和四五年一二月八日から本件判決確定に至るまで一年につき一万円の割合による金員、

(三) 昭和四五年七月一七日から本件判決確定に至るまで一日につき七五〇円の割合による金員、

をそれぞれ支払え。

4  本件附帯控訴を棄却する。

5  訴訟費用は、一、二審とも被控訴人らの負担とする。

との判決並びに3につき仮執行の宣言を求める。

二  被控訴人県

1  本件控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人の負担とする。

との判決を求める。

三  被控訴人収用委員会

1  本件控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人の負担とする。

3  附帯控訴として、主文二と同旨

の各判決を求める。

第二主張

次のとおり補正、追加をするほか、原判決事実摘示中「第二 当事者の主張」(以下「引用主張」という。)欄のとおりであるから、これを引用する。

一  補正

1  原判決四丁表二行目の「同月一四日」を「同年一一月一四日」と訂正する。

2  (原判決後における一部弁済に関する主張に関連して)同六丁表五行目の「右金額の」から六行目の「その余について」までを「、右金額の一部として、前記のとおり裁決により定められた損失補償金一二万九二四二円及び原判決主文第一項による六万四五九七円の合計一九万三八三九円の支払を受けたのみで、その余の二〇万五六六一円については」と改める。

3  (当審における訴えの一部取下げに関連して)同七丁表九行目の「すでに」から一〇行目の「二七万〇二五八円」までを「前記のとおり既に支払を受けた分を控除した残金二〇万五六六一円」と改める。

二  被控訴人収用委員会の当審における追加主張(引用主張一((本案前の主張))の補充)

本件取消の訴えは、昭和五一年七月一二日、原審裁判所に提起されたが、右訴えの提起は、控訴人が、これより先の昭和四六年二月八日、土地収用法一三三条の規定に基づき、被控訴人県を被告として提起した本件補償金等請求訴訟につき、被告の変更を伴う訴えの追加的変更申立ての方式によったものである。原審裁判所は、昭和五一年一〇月一九日、控訴人の右訴えの追加的変更(被告の追加的変更を含む。)申立ては行訴法二一条所定の要件を充足するに足りるものとしてこれを許可する旨の決定をし、これを前提として、原判決において、本件取消の訴えについてこれを適法として本案の判断に及んでいるが、右許可決定は、取消訴訟の出訴期間経過後の申立てにつき、しかも、損失補償金増額支払等の請求を処分の取消請求に(追加的に)変更することを許可した点において違法であり、これを前提とした、原判決中本件権利取得裁決取消請求に係る部分には、訴訟要件についての判断を誤った違法がある。

三  控訴人の当審における追加主張

1  (被控訴人収用委員会の本案前の主張に対して)

争う。原審における訴えの変更及び被告の変更についての許可決定は正当であり、しかも、右許可決定は、不服申立てがなく、即時抗告期間を徒過することにより確定しているから、被控訴人収用委員会の本案前の主張(当審における追加主張を含む。)は理由がない。

2  (引用主張二2((本件土地が控訴人の所有であることについて))の補充―原判決理由中「(被告収用委員会に対する請求について)」((原判決一八丁裏))の二3(三)((同二五丁表))の説示に関連して)

控訴人が本件土地を所有するに至っていたことについては、控訴人家は三百数十年にわたり継続して本件土地を墳墓地として使用・管理してきたものであり、この間に控訴人家以外の者が本件土地に支配権を及ぼしたことはない点を重視すべきであり、古来からの墓地の支配形態はいかなるものであったのか、墓地に対する地券の交付はどのように行われたのか、について審理が尽くされるべきである。

3  (引用主張二3((損失補償額の算定について))の補充)

(一) 被控訴人県の主張に係る損失補償基準細則は、本来、工事量においても、工事費用額においても、ある程度の規模を有する移転掘削埋戻工事に適用して初めて妥当するものであり、本件堂宇等のように小規模の物件についてそのまま当てはめるのは、現実性に乏しい請負発注金額を算定することとなり、相当でない。

(二) 本件墓地の堂敷掘起埋戻についての費用算定に当たっては、掘起し部分の面積及び移転先の土質について次の点が考慮されるべきである。すなわち、本件墓地には、大人の土葬遺骨三体、子供の遺骨一八体が埋葬されており、その範囲は、もと本件墓地の一部であった五泉市道(旧高野道)の下にまで及んでいた。したがって、これらの遺骨を収集するためには、控訴人主張の二四・七五平方メートルの範囲を更に越えて道路敷の崩れた部分まで掘削しなければならなかったのである。しかも、水替床掘りという掘削方法は、土の崩落があるため、所要の掘削面積より広い部分の掘削を必要とするものである。また、移転先の土質については、それが本件墓地の土質と異なることが明らかでない以上、これと同じ条件のものとして算定すべきである。

四  右三の3の控訴人の主張に対する被控訴人県の認否

争う。

第三証拠関係《省略》

理由

第一  (本件取消の訴えについて)

被控訴人収用委員会は、本件取消の訴えは行訴法一四条一項所定の出訴期間を徒過して提起されたものである等の理由から不適法である旨、主張するので、審按する。

一  被控訴人収用委員会が昭和四五年一一月七日付けをもって本件土地につき権利取得裁決を行い、その裁決書正本が同月一四日控訴人に送達されたことは、控訴人と被控訴人収用委員会との間に争いがなく、右争いのない事実及び《証拠省略》によれば、控訴人は、同月一四日、本件権利取得裁決があったことを知ったものと認められる。なお、《証拠省略》によれば、控訴人は、同年一二月一四日付けをもって建設大臣に対し右裁決につき審査請求をしたが、建設大臣からその審査請求書につき補正を命じられたにもかかわらず(右補正命令においては、審査請求書に補償料を要求する旨が記載されている点についても指摘され、審査請求書には「処分の取消しを求める。」というように審査請求の趣旨を明示するよう具体的な指導もされていた。)、これに応じなかったため、昭和四八年一二月一〇日付けをもって建設大臣により右審査請求を不適法として却下する旨の裁決をされたことが認められる。右認定に反する証拠はない。

本件取消の訴えは、行訴法所定の取消訴訟であるから、その提起については、後記説示のとおり同法一四条所定の出訴期間遵守の有無が問題となるが、右認定各事実によれば、本件取消の訴えの出訴期間は、同法一四条一項の規定が適用される結果、昭和四五年一一月一四日から三箇月であり、本件権利取得裁決に対する審査請求が前叙のとおり不適法として却下された以上、処分につき適法な審査請求を経た場合の出訴期間の起算日につき特例を定める同条四項の規定を適用する余地はない。

二  そこで、本件訴訟経過を検討するに、原審記録上、次の事実が認められる。

1  控訴人は、昭和四六年二月八日、原審裁判所に対し、本件補償金等請求事件の訴状(「本件訴状」)を提出したが、その訴状の記載によれば、被告としては「新潟県代表者新潟県知事亘四郎」と表示され、請求の内容は、被控訴人収用委員会が控訴人の本件土地に対する所有権を無視・誤認して本件土地を強制収用した旨の主張を前提としながら、やむを得ず土地収用法一三三条の規定による訴えを提起せざるを得なくなったとして、本件堂宇の移転等を伴う本件土地明渡による損失補償の増額支払と、本件収用裁決により控訴人が精神的経済的損失を被ったことによる慰藉料等の支払とを求めるというに尽きるものである。(なお、後記原審準備手続の第二回期日において、控訴人はその請求の趣旨を「被告は原告に対し金五〇万二一〇八円及びこれに対する昭和四五年一二月八日から完済に至るまで年五分の割合による金員、昭和四五年一二月八日以降本判決確定に至るまで一日金七五〇円の割合による金員を各支払え」と陳述している。)

2  原審裁判所は、昭和四六年二月一七日、本件訴状提出による訴訟事件を準備手続に付することとし、同年三月二六日を第一回期日として、準備手続を続行、実施した。これに対し、控訴人は、昭和五〇年三月三一日に至り、原審裁判所に、弁護士に対する訴訟委任状(同年二月一〇日付け)を提出し、同年三月三一日の第三三回準備手続期日以降、控訴人の訴訟代理人として弁護士が関与することとなったが、それまでの間は、控訴人本人自らのみによって訴訟を追行し、二十余通に及ぶ準備書面等の書面を提出して主張を重ねた。しかしながら、控訴人が前叙のとおり本件権利取得裁決のあったことを知った日である昭和四五年一一月一四日から三箇月を経る昭和四六年二月一四日までの間に、控訴人から原審裁判所に提出された、控訴人の申立てないしは主張を記載した準備書面等の書面は、本件訴状のみであって、そのほかにはなく、しかも、右のとおり控訴人提出の二十余通の準備書面等の書面の中で、控訴人が本件権利取得裁決の取消を求める意図を有することを表示したのは、原審裁判所昭和五〇年二月一八日受理の同日付け準備書面において、本件訴状の「請求の原因」の一部に「土地収用法第一三三条による」とある部分を「新潟県収用委員会のなした裁決は無効であり、取消を求めると共に、」と改める旨記載されているところだけであり、それより前に提出されている各準備書面等においては、わずかに、昭和四六年一二月一四日受付の同年一二月六日付け「中間確認訴状」と題する書面において、本件土地の所有権を「復元するため訴を提起」する旨明示して、本件土地が控訴人の所有であることの確認を求める旨の申立てに及んでいるほかは、控訴人は、本件土地が先祖伝来により控訴人の所有であることを再三再四主張しながらも、帰するところは本件訴状における金銭支払請求のための主張・請求を終始展開するにすぎなかった。

3(一)  前記のとおり本件訴訟の原審における準備手続に関与することとなった控訴人訴訟代理人は、昭和五〇年九月二三日に至り同日付け準備書面を提出し(それまでは、控訴人訴訟代理人名義による準備書面等の提出はなかった。)、同日の第三六回準備手続期日にこれを陳述したが、右準備書面においては、請求の趣旨及び原因を変更、整理するとしながらも、その内容は、本件土地が控訴人の所有であること及び本件収用裁決が無効であることを前提として、被控訴人県が本件収用裁決に基づき本件土地について経由した所有権取得登記(新潟地方法務局村松出張所昭和四五年一一月二六日受付第九三二七号)の抹消登記手続を求めるとともに、本件堂宇の移転等により被った損害(移転費相当額及び慰藉料)の賠償を求め、予備的に従前からの損失補償増額支払を求めるというものであった。

(二) 次いで、控訴人訴訟代理人は、昭和五一年二月九日、原審裁判所に同年一月二九日付け準備書面二通を提出し、その一通においては、再び請求の趣旨及び原因を変更、整理するとして、主位的に本件収用裁決の取消を求め、予備的に当初から請求している損失補償の増額支払を求めることとする旨を申し立て(この準備書面は同年四月一五日の第四一回準備手続期日陳述)、他の一通においては、控訴人はもともと本件収用裁決の取消を主位的に求めていたものであるとして、その請求についての被告を被控訴人収用委員会に変更する許可を求め(原審裁判所同年(行ク)第一号)、その後、同年三月二四日受付の、「行政事件訴訟法一五条一項に基づく被告変更の申立」と題する書面(なお、同年六月七日付け申立理由補充書がある。)により、被告変更許可申立ての趣旨を明確にするとともに、その理由において、「控訴人は本件訴訟の当初から、訴状等において、本件収用裁決の取消を求めていた(少なくとも、控訴人の請求は、そのような取消請求を含むものであった。)。」等の主張を述べるに至り、なお、本件収用裁決の取消と本件堂宇の移転等による損失補償増額支払とを並列的に求める旨申述するに至った。

(三) 更に、控訴人訴訟代理人は、昭和五一年七月一二日、原審裁判所に「行訴法二一条による訴の変更の申立」と題する書面を提出し(原審裁判所同年(行ク)第二号)、先の被告の変更許可の申立て(同年(行ク)第一号)を維持しつつ、これと選択的に、行訴法二一条の類推適用により本件訴状表示の請求の趣旨を本件収用裁決の取消と本件堂宇の移転等による損失補償増額支払とを求める趣旨に変更し、右本件収用裁決取消請求に係る訴えにつき被告を被控訴人収用委員会に変更することの許可を求める旨の申立てに及んだ。

4  原審裁判所は、昭和五一年一〇月一九日、右3(三)の申立て(原審裁判所同年(行ク)第二号事件)に係る訴えの追加的変更は行訴法二一条の要件を充足するとの理由でこれを許可し、また、変更後の請求の趣旨第一項、すなわち本件収用裁決取消の請求について被告を新潟県から被控訴人新潟県収用委員会に変更することも、右申立てのとおり許可する旨の決定をし、その後、準備手続を遂げたうえ(控訴人は本件収用裁決取消請求を本件権利取得裁決取消請求に減縮)、被控訴人収用委員会を被告とする控訴人の本件権利取得裁決取消請求について審理し、原判決を言い渡すに至った。

三  ところで、訴訟係属中に訴えの変更等の方式により新訴を提起する場合においても、当該新訴につき法律による出訴期間の制限規定が存するときには、当然に、その規定の適用があり、新訴の提起は、その提起時(訴えの変更の方式によるときにはその訴えの変更申立ての時)を基準として、所定の出訴期間を遵守したものでなければならない。そして、本件取消の訴えにつき出訴期間の制限規定の適用があることは、一に説示したとおりである。もっとも、新訴が一見、出訴期間を徒過して提起されたとみえる場合であっても、行訴法一五条三項、二〇条のような特別の規定が定められている場合のほか、訴えの変更の前後を通じて訴訟物の同一性が認められるとき、又は新訴と当初の訴えとの各請求の間に存する特段の関係から、新訴を当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し出訴期間の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情があるときには、例外として、当初の訴え提起の時を基準として出訴期間遵守の有無を決することが許されると解するのが相当である。

四  本件についてみるに、二に認定した本件訴訟経過によれば、控訴人が本件権利取得裁決のあったことを知った昭和四五年一一月一四日から三箇月の間に控訴人から原審裁判所に提出された、控訴人の申立てないし主張を記載した書面は本件訴状のみであるところ、本件訴状の記載から認められる控訴人の請求の内容は被控訴人県に対する前叙の金銭の支払請求以上のものではなく、他方、控訴人の本件取消の訴えは、右同日から三箇月を優に経過した後である昭和五一年七月一二日に訴えを追加的に変更するとして提起されたものであることが明らかである。したがって、右事実によれば、本件取消の訴えは、行訴法一四条一項所定の出訴期間(三箇月)を徒過して提起されたことになる。

控訴人は、一方においては、本件訴訟の当初から本件取消の訴えを提起していたものであるとの見解を有するようであり、前記二3(二)の請求の趣旨・原因の変更の申立ても、単に、当初の請求の趣旨及び原因を訂正、整理するにすぎないと主張するものと解されるが、本件訴状の記載から認められる控訴人の請求の趣旨、原因その他の内容は前叙のとおりであり、これによれば、本件訴状に、損害賠償請求の理由として本件処分が違法である旨の主張が示されていても、これにより本件収用処分の取消を求める訴えが提起されたものであるとか、本件訴訟の当初の請求に本件収用処分の取消請求が包含されていたものとみる余地は到底存しない。このことは、本件訴訟が当初いわゆる本人訴訟により追行されていた事情をも参酌し、本件訴状の記載のほか、本件全資料をしさいに検討しても同断であって、本件取消の訴えが、本件訴状の提出により、又は昭和四五年一一月一四日から三箇月の間に、提起されていたものとみるべき資料を見いだすことはできないのである。したがって、本件訴訟の当初から本件取消の訴えが提起されていたとする控訴人の見解・主張は理由がないし、「本件訴状の請求の趣旨の訂正」という方法により、本件取消の訴えが当初から提起されていたものとしてこれを明確化しようとするのは、その余地もなく、また許されないところである。

そこで、本件取消の訴えが、本件訴状による当初の訴え提起の時を基準として出訴期間遵守の有無を決し得る例外の場合に当たるか否かであるが、本件訴状による訴えと前記二3(三)の申立てにより追加された本件取消の訴えとは訴訟物を異にしていることは明らかであるから、前記三説示の特段の事情が認められない限り、追加的請求に係る本件取消の訴えは、出訴期間経過後に提起されたものとして不適法というべきである。

ところで、本件訴状記載の控訴人の損失補償増額請求及び慰藉料請求と追加提起された新訴に係る本件権利取得裁決の取消請求との関係をみるに、もともと、損失補償増額請求に係る争いは、収用そのものの適否とは別に起業者と被収用者との間で解決させることができるし、また、それが適当であるとの見地から、被収用者と補償金負担者である起業者(それは私人であることもあり得る。)との間の当事者訴訟として、収用そのものの適否ないし効力の有無又はこれに関する争訟の帰すうと切り離して、解決を図るべきものとされている(土地収用法一三三条二項、行訴法四条)のに対し、収用処分の取消請求は収用裁決それ自体の適否・効力を争って、その取消を求める争訟であるところから、両者は別個独立の手続で争わせることとされているのであり、しかも、前者の訴訟においては財産権の評価の問題が中心となるのに対し、後者の訴訟においては処分庁を被告として収用裁決それ自体に係る瑕疵(違法)の存否が問題となるものであるから、両者の間には実質上も大きな相違が存するものである。また、本件訴状記載の慰藉料請求は、本件収用裁決が、本件土地等の所有権の帰属についての誤認を前提として行われた違法のものであることを理由としていると解されるので、追加された本件取消の訴えにおいて本件権利取得裁決の取消請求の理由とされている主張のうち、右と同趣旨の所有権の帰属についての誤認による処分の実体的違法をいう部分は、右慰藉料請求の理由と共通し、その限度においては本件訴訟の当初において既に主張されていたものということができるが、前叙慰藉料等請求の訴えは、通常の民事訴訟手続に服すべき性質のもので、本件収用裁決の取消にかかわりなく、損害賠償請求として主張できるものが、損失補償増額請求の訴えに併合して提起されたものにすぎず、本件取消の訴えとは別個の目的をもった争訟である。

したがって、叙上各請求の関係を彼此検討し、その他本件全資料を検討しても、本件取消の訴えが、出訴期間の関係においては、本件訴状による当初の訴え提起の時に提起されたものと解すべき特段の事情の存在を認めることはできない。

五  控訴人は、前記二3(三)の控訴人の申立てに対する同二4の原審裁判所の許可決定は確定しているから、被控訴人収用委員会の本案前の主張は理由がない旨主張する。

ところで、行訴法二一条の認める訴えの変更は、本来、訴えの交換的変更を予定し、かつ、当然に被告の変更を伴うものであり、同条の許可決定が確定すると、従前の訴えは取り下げられ、それまでの被告は当然に脱退したのと同一の効果をもたらすものである。他方、行訴法四一条二項、一九条は、同法所定の当事者訴訟の係属中に、当該請求と関連請求の関係にある請求につき一挙に解決を図る方策として、新訴を追加的に併合提起することを認めているところ、同条に基づく新訴の提起については、同法二一条所定の訴えの変更の場合のような許可に係らせることなく、新訴の適法要件の有無は、終局判決の判断に委ねられ(同法一九条所定の要件を充足していない場合であっても、他の訴訟要件を具備している限り独立の訴えとして取り扱うことができる。)、上訴審の判断にも服するものである。

そこで、原審裁判所の前記許可決定をみると、右決定は同法二一条の規定に基づいて控訴人の申立てを許可するとの形式を採ってはいるものの、許可の内容は、同条が本来予定する叙上の効果をもたらす内容のものではない。他方、その前提となっている控訴人の申立ては、(その申立書に、いまだ、訴状の要式を備えているといえない部分があるにせよ、また、本件取消の訴えについて、従来の訴えを追加的に変更することとし、その追加部分につき被告を変更することの許可を求める形式を採っているにせよ、)内容は訴えの変更の名の下に新訴を追加提起したものであり、被告の表示の点についても、その実質は、新訴提起の必然的な結果として新訴の被告とすべき者を被告として表示している趣旨であって(現に、右申立書冒頭の当事者の表示欄には、「(訴の変更により被告となるべき者)新潟県収用委員会」と表示されている。)、別段新訴につき被告とすべき行政庁を誤っているわけでもない。そうとすれば、右許可決定は、控訴人の「行訴法二一条による訴の変更の申立」と題する申立てを全面的に容れる形式を採ってはいるが、その実質は、本来、行訴法二一条が予定しているものではなく、控訴人の右申立に即応して、控訴人の申立てに係る新訴の提起に対しこれを旧訴と併合審理することを明らかにした以上の効力を持つものではなく、右新訴の適法要件については、同法四一条二項、一九条の規定に基づく新訴提起の場合と同様、当然に、上訴審の判断に服すべきものである。

結局、右許可決定は、控訴人の本件取消の訴えが出訴期間の定めに違背していないことを確定する効力を有するものではないし、また、右新訴につき、前叙のとおり出訴期間遵守の有無を審究するのを妨げるものではないから、控訴人の前記主張は理由がなく採用することができない。

六  よって、控訴人の本件取消の訴えは、本件訴状による当初の訴え提起の時を基準として出訴期間遵守の有無を決し得る例外の場合にも当たらず、結局、行訴法一四条一項の出訴期間についての定めに違背するものであり、本案前のその余の点につき判断するまでもなく不適法であるから、却下すべきものである。

第二  (損失補償に関する請求について)

控訴人の被控訴人県に対する本件損失補償に関する請求(原判決主文第一項において認容された部分については、当審において訴え((一部))が取り下げられた。)は、当審における控訴人の追加主張をも参酌し、本件全資料を検討した結果、すべて理由がなく棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり加除訂正をするほか、原判決理由説示(原判決二七丁裏一行目冒頭から同三七丁表一一行目((「せざるを得ない。」))まで)のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決二七丁裏一行目の「被告収用委員会が、」の次に、「昭和四五年一一月七日付けをもって、引用主張二(請求原因)1のとおりの経過の下に本件収用裁決を行い、あわせて、」を加える。

2  同二七丁裏八行目の「前出丙第一二号証」を「原審証人横山良二の証言により成立を認める丙第一二号証」と改め、八、九行目の「被告収用委員会は」の次に、「、被控訴人県からの本件事業に係る収用裁決の申請に対する」を、九行目の「審理において、」の次に、「関係損失補償費については」を、それぞれ加える。

3  同二八丁裏一一行目の「関係人は」から一二行目の「定めるのにすぎない」までを「関係人は、鑑定人に鑑定を命ずることを申し立て、また、審理において収用委員会が出頭を命じた鑑定人を自ら審問することを申し立てることができる旨、定められているにすぎない。」と改め、一三行目(末行)の「相当ではなかったが」を削除する。

4  《証拠訂正省略》

5  同三〇丁裏九行目の「高さ」を「軒高」と、同三一丁表三行目の「ものと推測される」を「ものである。」とそれぞれ改める。

6  同三一丁裏一行目の「相当である。」の次に、「したがって、本件堂宇の移転工事費用は合計四万〇五七八円と認められる。」を加える。

7  同三一丁裏一一、一二行目の「主張するにすぎないから右の点について検討するに、」を「主張するので検討するに、」と、一三行目(末行)の「〇・三八三」を「〇・二六四」と、それぞれ改める。

8  同三二丁表七、八行目の「右計算の基礎が相当であることは、」を「右計算の基礎について、」と、九、一〇行目の「によりこれを認めることができる」を「によれば、本件収用裁決当時右石塔等の移転すえつけに要する費用はトン当たり一万〇四一〇円であり、右石塔等の重量計算は被控訴人県の担当職員が石塔等をそれぞれ測定した数値によったものであることが認められる。控訴人は、小規模物件の移転費用を算定するのに前記損失補償基準細則((右乙第八号証は、右細則の一部である。))をそのまま当てはめるのは相当でない旨主張するが、右細則は、工事量においても、工事費用額においても、ある程度以上の規模を有する工事に適用して初めて妥当する性質・内容のものと認めるに足りる証拠はないし、本件事実関係の下において右石塔等の移転費用の算定資料として右乙第八号証を採用するのを不合理、不相当とすべき特段の事情も認められないので、右主張は理由がない。」と、それぞれ改める。

9  同三三丁表一行目の「この限りでない」を「この限りでなく、その計算関係を相当と認める。控訴人は、移転先の土質が本件土地のそれと異なることが明らかでない以上、移転先の土質も本件土地のそれと同じとみるべきである旨主張するが、そのように解すべき合理的理由はなく、独自の見解により右説示を非難するものであり、採用することができない。」と改める。

10  同三三丁裏六行目の「相当額(」の次に、「右各比率の相当性は、」を加え、一二行目の「なお、」から同三四丁表六行目の「失当である。」までを「右計算関係において掘起部分は長さ七メートル、幅二メートルの範囲であるから、その面積は一四平方メートルであり、本件土地全部にわたるわけではないが、《証拠省略》によれば、本件土地上の本件堂宇及び木柱は道際に並んでいる状況であることが認められるところ、叙上認定のとおりの本件堂宇の規模・大きさ((面積は各約一・四平方メートル))及び右認定のとおりの本件堂宇等の位置関係によれば、長さ七メートル、幅二メートルの範囲により右本件堂宇等の物件敷地のほか、これに隣接する相当区域を取り込むことができるものと認められるから、遺体処理のための堂敷掘起埋戻面積は前記一四平方メートルをもって相当というべきである。控訴人は、遺体処理のための必要面積は本件土地の面積二四・七五平方メートルの範囲を更に越える旨主張するが、《証拠省略》中、本件土地の掘起必要面積についての供述部分は、現実に掘り起こした範囲の面積と本件土地の実測面積とを混同したり、本件堂宇敷の掘起中に崩落した隣接道路敷部分までも取り込んだ範囲を右必要面積として供述する等、本件土地明渡のために掘り起こす客観的相当範囲を認定する資料としては不明確であり、採用することができず、他に叙上認定説示の掘起面積をもって不合理、不相当とすべき特段の事情を認めるに足りる証拠はないので、控訴人の右主張は理由がない。」と改める。

11  《証拠訂正省略》

12  《証拠訂正省略》

13  同三五丁表一二行目の「木柱の」から一三行目(末行)の「認めることができるから、」までを「木柱も取り込まれることは前叙のとおりであるから、」と改める。

14  同三七丁表九行目の「以上の認定」の次に、「に係る合計一九万三八三九円」を加える。

15  同三七丁表一一行目「せざるを得ない。」の次に、行を改めて「三

ところで、控訴人が、本件土地明渡に伴う損失補償金として、右認定額に相当する一九万三八三九円の支払を受けていることは、控訴人の自認するところであるから、控訴人の本訴請求のうち、同趣旨の補償金についての控訴人主張額の残余部分につき更に支払を求める部分は、理由がなく、排斥を免れない。」を加える。

第三  (損害賠償請求について)

一  引用主張二(請求原因)4(一)(二)の各事実は、控訴人と被控訴人県との間において争いがない。

二  ところで、控訴人の被控訴人県に対する損害賠償請求は、本件事業の起業者である被控訴人県及び本件権利取得裁決を行った被控訴人収用委員会が、いずれも本件土地の所有権の帰属についての判断を誤り、その所有者は控訴人であるのに林孝三であると誤認した旨の主張を前提とするものであるから、この点について検討するに、当裁判所も、次のとおり加除訂正をするほか、原判決理由説示(原判決一九丁表一一行目から同二六丁表六行目まで)と同じ理由により、被控訴人県が本件収用裁決の申請に及び、被控訴人収用委員会が本件権利取得裁決を行った当時の本件土地の所有者は林孝三であって、その当時における被控訴人らの判断に誤りはなかったものと認めるので、右理由説示をここに引用する。

1  原判決一九丁表一一行目の冒頭に、項目番号として「1」を加え、同じ行の「よって検討するに、」を削除し、一二行目の「林常橘」の次に、「(本籍・新潟県中蒲原郡船越村第一三番戸)」を、一三行目(末行)の「甲第五一号証の二」の次に、「・三」を、その裏一行目の「林精一」の次に、「(本籍・同県同郡新関村大字船越二三七番地)」を、同じ行の「林孝三」の次に、「(本籍・同県五泉市大字船越二三七番地)」を、それぞれ加える。

2  同一九丁裏六行目の「昭和三五年」から一〇行目の「土地(家屋)台帳に」までを「改正前の不動産登記法(明治三二年法律第二四号)一〇五条によれば、未登記の土地所有権の登記を申請することができる者は「一 土地台帳謄本ニ依リ自己又ハ被相続人カ土地台帳ニ所有者トシテ登録セラレタルコトヲ証スル者 二 判決ニ依リ自己ノ所有権ヲ証スル者」と定められていた点のほか、土地台帳に関する後記説示にかんがみると、土地台帳に」と改める。

3  同二〇丁表五行目及び七行目の各「備付」をいずれも「保管」と、五行目及び八行目の各「土地台帳」をいずれも「旧土地台帳」と、一〇行目の「空欄である者」を「空欄である旨」とそれぞれ改める。

4  同二〇丁裏一行目の「登録されたものであり」の次に、「(旧土地台帳法五条。従来の地券制度が廃止され((明治二二年三月二二日法律第一三号))、土地台帳規則((同日勅令第三九号))が公布されたのに伴って制定された同規則施行細則((同年四月一日大蔵省令第六号))一条において、既に、土地台帳には「土地ノ字番号地目段別等級地価地租所有者及質取主ノ住所氏名」を登録すべきものとされていた。)」を、五行目の「土地台帳の記載要件」の次に「及び沿革(明治二二年三月二六日大蔵省訓令第一一号によれば『勅令第三十九号土地台帳ハ従前ノ地券台帳ヲ数理修補シ之ニ充ツヘシ』とされており、なお、これより先地券制度を定めた明治五年二月二四日大蔵省達第二五号第六には『地券ハ地所持主タル確証ニ付……』とされており、また、明治七年一一月七日太政官布告第一二〇号によれば、墳墓地も民有地である以上は地券を発する対象とされていたことが明らかである。)」を、それぞれ加える。

5  同二二丁裏六行目冒頭の「3」を「2」と、七、八行目の「存在することは当事者間に争いがない。そして、」を「存在し、」と、一〇行目の「存したことにつき、」から一一行目の「自白したものとみなす。」までを「存したことは、いずれも控訴人と被控訴人県との間において争いがない。」と、同二三丁表一行目の「本件土地」から二行目の「遺骨が」までを「本件堂宇の敷地及びその周囲の地中に遺骨が」と、それぞれ改める。

6  同二三丁表五行目の「第二二号証、」を削除する。

7  同二四丁裏四行目の「明治二九年」の前に「控訴人の祖父又吉は、」を加え、九行目の「(ただし、」から一〇行目の「すぎなかった)」までを削除する。

8  同二五丁表八行目の「部分があるが、」の次に、「他方、同証人の証言によれば、同証人は本件堂宇の因縁・由来等について父親らから伝え聞いたり、自ら体験したことはほとんどないことが認められる点や」を加え、九行目の「林孝三の右証言部分」を「控訴人方は本件堂宇の世話人にすぎないとする同証人の供述部分」と改める。

9  同二五丁表一一行目の「右(一)、(二)の」から同二六丁表三行目の「もっとも、」までを「しかしながら、右(一)(二)の各事実を総合しても、控訴人が本件土地を所有するに至っていたと認めるに足りないことはもとより、林常橘が本件土地を所有していたとする叙上説示の事実上の推定を覆えす資料とするにはいまだ足りないというべきである。」と改める。

10  同二六丁表六行目の「認められるが、」の次に、「《証拠省略》によれば、右記載は、事務担当者がたまたま右書面を他の同種書類と一括して作成した際、他の書類と同様に漫然と名宛人と同じ氏名を物件所有者欄に記入したことによるものと認められ、このことと前顕各採用証拠及び旧土地台帳の記載等についての叙上各認定説示の事実関係に照らすと、右認定の書面の記載もまた、本件土地の所有権の帰属についての叙上認定判断を左右するに足りない。」を、更に、行を改めて「他に、本件全資料を検討するも、林常橘が本件土地を所有していたとする叙上認定説示を左右するに足りる証拠はなく、また、控訴人が本件土地を所有するに至った原因事実についての主張立証はない(時効取得の主張に対する判断は後記三のとおりである。)。」を、それぞれ加える。

三  控訴人は、本件土地を時効取得していた旨援用・主張するが、右主張は、本件収用裁決に至る手続の過程において開陳されたことはなく、本訴における攻撃防御方法として初めて提出されたものであることは、原判決理由説示(原判決二六丁表一二行目からその裏七行目まで)のとおりであるから、これをここに引用する。そうすると、本件土地の所有権の帰属に関する叙上認定説示の事実関係のもとにおいて、本件収用裁決の申請をした被控訴人県及び本件権利取得裁決を行った被控訴人収用委員会が、いずれにおいても、控訴人による本件土地の時効取得につき考慮することなく、その当時の事実及び法律関係を前提として本件土地の所有者を林孝三と認定し、それに基づき所定の行政手続を履践しまた本件権利取得裁決を行ったのは正当であり、これを違法とすべき余地はない。

四  したがって、被控訴人らが、本件土地の収用手続を進めるに当たり、本件土地の所有権の帰属についての判断を誤ったことを前提とする、控訴人の被控訴人県に対する損害賠償請求は、その余の主張につき判断するまでもなく理由がなく、棄却すべきである。

第四  以上の次第であるから、原判決中、控訴人の被控訴人県に対する、本件損失補償金として控訴人主張額のうち未受領分二〇万五六六一円につき更に支払を求める請求及び損害賠償請求を、いずれも棄却した部分は相当であり、この点に対する本件控訴は理由がない。また、原判決中、控訴人の被控訴人収用委員会に対する本件権利取得裁決の取消請求につきこれを棄却する判決部分は不当であるが、それを取り消して本件権利取得裁決の取消を求める控訴人の本件控訴は理由がなく、それを取り消して訴え却下の判決を求める被控訴人収用委員会の本件附帯控訴は理由がある。

よって、本件各控訴をいずれも棄却し、本件附帯控訴に基づき、原判決中被控訴人収用委員会に関する部分を取り消し、控訴人の被控訴人収用委員会に対する本件訴えを却下し、なお、原判決主文第一項は当審における訴えの一部取下げにより失効したので、念のためその旨を本判決主文において明らかにすることとし、訴訟費用の負担につき、民訴法九五条、九六条、八九条、行訴法七条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 後藤静思 裁判官 奥平守男 裁判官 橋本和夫)

<以下省略>

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